COCO&IGOR
年が明けて、予想通りタフな毎日が続いている。
後厄だけに何かあるだろうと思っていたらこう来たか。
たまには、精神の平衡を取り戻さねばと、
金曜の夜の渋谷で観たかった映画を予約した。
”COCO&IGOR”
和名は、『シャネルとストラビンスキー』
途中、結末がどうなるのかと、
ふと心配になる時もあったものの、
退屈で時計を見るようなことはなかった。
ということでもわかるように、
決して悪くない映画である。
私にとって、この映画のポイントとなるシーンは
ただ一つ。
シャネル女史が、ストラビンスキーの「求め」を断る
シーンにつきる。
良い意味での完璧な自己本位。
その自己本位は、男女関係だけにとどまらない。
彼女の仕事。
彼女の住まい。
彼女のライフスタイル。
そして、彼女の選んだ、その香り。
すべてにおいて、その自己本位が貫かれている。
この映画で私の、あの店を見る目は一変した。
漱石の言う自己本位はやはりこんな意味だった
のだと納得した。
しかし、正直言うと、上品なBunkamuraで、
あそこまでの露骨な描写に途惑っていたのだが、
そのシーンの伏線だったのだとすれば、
合点が行く。
エンドロール後のワンシーンの挿入は、
私は否。
敢えて言われなくても、それまでの彼女の言動
からすれば、推して知るべしであること。
だからこそ、『春の祭典』の再演は成功したのでは
ないかと思われるからだ。
ましてやストラビンスキー本人は十分にそのことを
理解していた。
久しぶりに5番が嗅ぎたくなった。


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