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2008年10月

2008年10月25日 (土)

建長寺にて。

3ヶ月ぶりに坐った。

しかし、場所は慣れ親しんだ南禅寺ではなく鎌倉の

建長寺。

会社で少し仕事をして総武快速で北鎌倉へ。

鎌倉街道を南へ歩くこと十数分。

三門をくぐり、まずは仏殿で合掌。

大きなお地蔵様が優しい笑顔で迎えてくれた。

会場の方丈へ。

広い場所だが、続々と参加者が増え会場は一杯に

なった。

高校生をはじめ若い人や女性の方がとても多い。

南禅寺では90歳を超える大先輩をはじめ、

昔から通われているご年配の方が多かったので

若干の戸惑いを覚えたが、

ブーム的な感じもある昨今、

関東だとこうなってしまうのはわかる気もする。

                                                   坐禅が始まった。

今回は体が坐ることを求めていたので、

坐れることがとにかく嬉しい。

振り返ると、

いつも以上に集中できたような気がした。

                                                    しかし、参加者が多い分、寝ている人、体が大きく

動いてしまう方もいらっしゃるようで、

注意の声が飛んだ。

                                                初体験の方が多いと思われる中、

あまり厳しく言うとそちらがむしろ気になって

坐ることに集中できないのではないか、

とも気になった。

                                                  しかし、一番はその方の為にならないのだろうから、

やはりお坊さまも心を鬼にして注意されたのだろう。

                                                 帰りは鎌倉街道を南下し、鎌倉駅を目指した。

途中の酒屋さんでは、

川西酒造店さんの「純米 丹沢山」を、

駅では、おなじみ「鯵乃押し寿し」を頂いた。

                                                    自宅に戻り夕げを頂いた。

お酒は、まさしく私好みの、米の旨味を自然に

感じさせてくれる、よい意味で「枯れた」感じの

旨さあふれる出来であった。

                                                そのお酒の旨味と、鯵のお寿司の素朴な味わいの

出会いもまた素晴らしい。

丹沢山の水で出来たお酒と丹沢山の栄養を吸収

した鯵(ということにしておこう)が融合しないわけが

ない。

                                                    さらにBGMは、デビュー以来のファンである、

akikoのニューアルバム、

『What’s Jazz?』である。

                                                          akikoさんが改めてJazzを問い直した作品の

一発目であるが、

これまた私のお気に入りである、

「La vie en Rose」と

「Love Theme From Spartacus」

をしっとりと歌い込んでいるではないか。

                                                            そのしっとりさは、

「丹沢山」や「鯵の押し寿司」に勝るとも劣らない

よい感じの枯淡さであった。

アッコちゃん。

今回もまた、やったね。

                                                 久しぶりに坐って、脳の中に空白な部分ができた

と感じた。

余白ができた感じがするのだ。

そういう余白のある頭でいると、

お酒もご飯も音楽もさらにうまく感じるものだ。

生きていることに改めてありがたいと感じるもの

なのだ。

                                                       そう思っていると、また体が坐りたくなったらしい。

これも2年間、南禅寺に通って温かく受け入れて

頂いたおかげである。

                                                  鎌倉で坐っていたのに、

東山の僧堂で、いつものように坐っている

気がしたのもそういうことなのだろう。

                                                あらためて、合掌。

2008年10月13日 (月)

拝啓、表三郎先生。

表 三郎。

私の人格形成に、確実に大きな影響を与えてくれた

一人である。

熊本の高校生が京都堀川丸太町の予備校に来て

一番に度肝を抜かれたのが表先生の講義であった。

                                                            ただの英語の授業なのに、

なぜここまで脱線するのか?

たった一文の和訳なのにも拘わらず、

大きな通る少し高い声で、深く、広く、しつこいほどに

解説をしてくれた。

しかも、学生時代はバリバリの学生運動の活動家

だったという。

                                                   その講義の面白さには時間も我も忘れて没入した。

多分、その時の私は口を開けたままで、

先生の話を聞くことに没頭していたに違いない。

                                                           ヴィドゲンシュタインの

「語りえぬものには沈黙しなければならぬ」。

シニフィアンとシニフィエ。

マラルメの詩集。

私がマーラーの交響曲を愛するようになったのも

先生のせいですぞ。

                                                 しかし、なぜ先生はそこまで自信を持って、

「脱線」していたのか?

その答えが、20年経った今明らかにされた。

                                                        「私は、英語理解は、受験勉強だけでは得られない

ことがわかっていたからだ。

英語を理解することは、究極的には英語を使う人を

理解することにほかならない。

人を理解するためには、自分を理解することが必要

であり、そこを突き詰めていくと、

どう生きるべきかという問題にまで至る。」

(『問いの魔力』サンマーク出版、2008)

                                                  そんな先生の薫陶を受けることができて本当に

よかったと思っている。

最後、第一志望校には受からなかったが、

それよりも何よりも、先生に出会って、

その場の空気を共有できたことが何よりも

よい肥やしになっているような気がするのだ。

                                                 しかし、先生。

どう生きるべきか、未だに悩んでいます。

悪戦苦闘の毎日ですが、

まだまだ泥だらけのじゃがいもですが、

いつかは美味しいマッシュポテトになれれば

いいなと思って日々生きています。

銀座座屋発進!

神戸の元町店によくお邪魔していた座屋(いざりや)

さんが、満を持して東京銀座に出店された。

                                                顔を出すと、元町で見慣れた従業員の皆さんが

やや緊張の面持ちで迎えてくれた。

高級感溢れる店内だが、

社長の人なつっこい感じにほっとさせられる。

                                                            お店の中を見せて頂いたが、

社長のこだわりが随所に感じられる。

特に、個室には驚いた。

畳と壁が、なかなか普段見ることがないものだなぁ

と思っていたら、

土佐の畳と漆喰を使っているとのこと。

                                                      早速日本酒を頂く。

メニューを見て、涙が出てきた。

すべて土佐のお酒のみである。

しかも、元町以上の品揃え。

これもまた社長のこだわりである。

社長に「お米っぽさが感じられるものを。」

と所望したら、

まさにこんなのが飲みたかったと思うお酒、

『久礼(くれ)』を出してくれた。

                                                そして、3ヶ月ぶりの、「座屋のかつお」である。

目の前の藁に火がつけられた。

なんと、藁焼きなのだ。

社長は藁焼きが一番おいしいという。

土佐の本店、神戸元町にもない藁焼きのたたき

を堪能した。

                                                  さらに、これをぜひと言われたのが、ご飯である。

社長の奥さまのお母さんが作られたというお米が

鍋で炊かれる。

美しく、宝石のような輝きを見せる銀シャリである。

もはや心の中で流している感激の涙は止まらない。

おこげの感じが日本酒にも、合う。

                                                 とにかく、妥協のないお店が出来上がった。

元町のままのものを銀座に持ってきたって十分に

勝負できる実力感なのに、

社長はさらにその上で勝負を挑んできた。

社長自ら銀座に乗り込んできた。

                                                 しかし、恐らく妥協のない社長のことだから、

社長不在でも、元町のお店の実力はそのまま、

いや、それ以上になっていることだと思う。

なぜなら、社長はしっかりと人づくりにも抜かりは

なかった。

私が元町に通ってから、社長自ら包丁を握る姿を

見たことがなかったことがその証である。

                                                 社長と乾杯をした。

社長は次なる目標を語ってくれた。

                                                           その目標が現実になる頃には、

きっと個室の土佐漆喰もよい感じの風情を出して

いるに違いない。

                                                <銀座座屋(いざりや)>

東京都中央区銀座2-11-2

銀座2112ビル B1F

Tel:03-3248-9090

(あっ、この電話番号にもこだわりがあったのだ!)

pm5:00~am2:00、日曜日定休

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