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2008年9月15日 (月)

フロー体験しているか?

ミハイ・チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi)

先生の『フロー体験とグッドビジネス』

(Good Business、世界思想社、2008.8)を読んだ。

先生の著書は、『楽しみの社会学、改題新装版』

(新思索社、2000.12)に続き2冊目である。

                                                    前回読んだ書は、「フロー(flow)」、

すなわち「全人的に行為に没入している時に人が

感ずる包括的感覚」についての概論という感じ

であったが、

今回はビジネス上のフローに焦点を絞ってある、

「うん。まさにこういうのが読みたかった」

という私のつぼにピタリとはまる書であった。

293ページの比較的分厚めの本であったが、

読み始めると、どんどん進む。

まさにフロー体験しながら、

すぐに読み終わってしまった。

                                                  先生は、有名になったソニーの「設立趣意書」、

                                                「・・・コレハ技術者達ニ技術スル事ニ深イ喜ビヲ

感ジ、

ソノ社会的使命ヲ自覚シテ思イキリ働ケル安定

シタ職場ヲコシラエタルノガ第一ノ目的デアッタ。

・・・」

                                                 を引用し、

「社会必要性に応えながら、喜びをもって思いきり

働くということ」が、

フローが職場で機能方法を完璧に表現している」

という。

                                                           そして、そこで働く者がフローを感じるためには、

その仕事の難易度、すなわちチャレンジと、

その人の能力、すなわちスキルとがバランスする

必要がある。

                                                 しかし、時間の経過とともにスキルが上がると

そのバランスが崩れ、フローは退屈へと変化する。

そこで大切なのが、

上司たるマネジャーがそのチャレンジを増大させる

マネジメントである。

「簡単につかむことができるものを越えたものに

手を伸ばすべき」だと言うのである。

                                                 これは、前回記事で引用した茂木先生の

『ひらめきの導火線』(PHP新書、2008.9)で、

触れられている、

「改善したところをまた改善して、さらに改善する」

という、トヨタ自動車のモットーと重なる。

                                                  この「オープンエンド」の思想こそが、

従業員をよりチャレンジングな仕事に向かわせ、

常に従業員にフロー体験を味わわせる原動力

となっているのではないだろうか。

                                                 茂木先生が言うように、

「どこまで行っても、「もういっちょう」「まだまだ」

と挑戦し続ける」凄みのようなものがそこにあり、

そういう場所にこそ、

フローの神さまが降りてくるのである。

                                                         一方、チクセントミハイ先生は、

「人生と呼んでいるものは、

長年にわたり注意力のフィルターにかけてきた

すべての体験の総量である。

この観点から、

何に注意を払うか、またどのように注意を

払うかが、人生の中身と質を決定するという

ことを容易に理解できるだろう。」

とさらりと言ってのけている。

                                                 このさらり、は胸が痛い。

ただ待っていてもフローは訪れないのだ。

日々フロー体験をするために、

自分は何をどうすればよいのかを日々真剣に

考え続けているのか?

そう自問自答すると、確かに答えに窮する。

                                                 日々こなさねばならぬ雑事があるとともに、

長い目で見て、今対応しておかねばならぬことも

ごまんとあり、

そのバランスに悩みながら、なんとか仕事を

こなしているのが現状である。

                                                           まあ、悩んでばかりいても始まらぬ。

改めて、「フロー」という観点から日々の仕事を

見つめ直してみることから始めてみよう。

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