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2008年7月21日 (月)

「虹の国」への歩み

『マンデラの名もなき看守』を観て、

南アフリカについてもう少し知りたくなり、

峯陽一氏の『南アフリカ』(岩波新書473、1996)

を読んでみた。

                                                             1990年11月、本作のラストにある通り、

ネルソン・マンデラはデ・クラーク政権により、

無条件で釈放された。

その後、94年4月には暫定憲法に基づき総選挙

が実施され、ANC(アフリカ民族会議)党首である

ネルソン・マンデラが大統領に就任。

と、ここまでは、事実として知っていた。

しかしながら、当時の南アフリカにはANCと、

以前アパルトヘイトを推進していたNP(国民党)

以外にも多数の政党や政治勢力があったこと、

そしてそれらの政治勢力のバランスに配慮した

きめ細かい比例代表制が上記の暫定憲法に

盛り込まれていたとは・・・

                                                               あとはだんだん雑学っぽくなる。

南アフリカにはおいしいワインがある。

その理由は・・・

南アフリカへの当初の入植者は、「本国では

どちらかといえば下層に属する」オランダ人

であった。

しかし、オランダ人以外に少数のフランス人も

いたのだ。

「宗教弾圧を受けてオランダに亡命していた

信仰心の厚いユグノー(少数派プロテスタント)

たち」である。

まさに、彼らがフランスのワイン製造技術を

伝えたのだ。

                                                           さらに雑学。

1896年。

イギリスと、

上記の古参の白人入植者を中心として独立した

トランスヴァール共和国との間で、

いわゆる「南アフリカ戦争」(アングロ・ボーア戦争)

が勃発した。

1902年、最終的にイギリスが勝利するわけだが、

ここでわが師漱石が登場するのだ。

                                                           漱石がイギリス留学のために到着した初日の

10月29日のロンドンは、

帰還兵歓迎のパレードで大いに盛り上がっていた。

彼の日記に、

「非常ノ雑沓ニテ困却セリ」

とあるそうな。

                                                             もしかすると、

異国の地ロンドンで彼が感じたその困却は、

ロンドン滞在中ずっと続いていたのかもしれない。

それだけではない。

そこで感じた困却こそがその後の執筆活動の

大きなエネルギー源の一つになっていたの

かもしれない。

                                                         その後日本は1904年から日露戦争に突入した。

その戦争で難民化した中国東北地方の人々は

南アフリカへ移住、金鉱会社で働くこととなった。

                                                               そう。

1867年には、「永遠の輝きを持つ」良質なダイヤモンド

鉱脈が発見されていたのである。

                                                                      さらに時代は進み、既に1930代には、

日本人に対して「名誉白人」の地位が与えられていた。

南アフリカはダイヤモンドだけではなく、

マンガンやクロム等の希少金属も豊富である。

アパルトヘイト時代、わが国は上記「NP政府と密接な

関係を維持してきた」ことも再確認しておこう。

                                                           そして、

マンデラの看守でありながら、

家族も守りながら、

自分の目で真実を知ろうとし、

職務を全うしたジェームズ・グレゴリーの視点

を改めて思い出そう。

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