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2007年7月30日 (月)

『魔笛』を観て見性成仏するなんて。

なぜか縁のなかった私の初オペラは佐渡裕さんと

エマニュエル・バステさん「魔笛」@兵庫芸術文化

センターと相成りました。

(ここで注:以下劇の詳細を記載している箇所があります

ので、これから劇をご覧になる方はご留意下さい)

                                                  結論。

図らずも、泣いてしまいました。

本来、魔笛とは泣くような内容ではないのでしょうが、

最後の最後やられてしまいました。

これが芸術監督・指揮の佐渡さんの仕業なのか、

演出のエマニュエルさんの仕業なのかしらない

けれど、泣いてしまいました。

                                                       冒頭から、極めて斬新な演出が続いた。

水をちゃぷちゃぷ使うは、衣装は現代風、

というか普通のスーツ。

                                                前から2列目なので、佐渡さんの指揮はもちろん

オケの人達もよく見える。

さすがにオペラなので、昨年末の第九の時の

ような、ジャンピング指揮は見せないが、丁寧で

安定感のある演奏が続く。

途中、佐渡さん自身も劇に巻き込まれるシーンも

あった。

そんなこんなが大半続き、なんとか主人公である

夜の女王の娘パミーナと王子タミーノの恋愛は

成就する。

1791年の初演は大衆向け劇場で、というから、

これじゃあ、偉い人同士の恋愛はハッピーエンドで

終わってよかったかもしれないが、庶民の溜飲は

下がるまいと思っていると、目出たく、庶民の代表と

おぼしきパパゲーノとパパゲーナの恋愛も花吹雪の

中成就。めでたしめでたし。

でも、これらだけだと、いまいち最後の盛り上がりに

欠けるなぁと思っていたら、「僧侶」の皆さん

(と言っても普通のスーツに身を包んだ男女)が

客席の通路にならび、歌い始めた。

                                                「浄められた人々よ万歳! お前たちは夜の暗黒を

払いのけた。イシス神に感謝せよ。オリシス神に

感謝せよ!

強き者が勝利を得

美と叡智とには永遠の王冠が与えられた!」

                                                そして、「僧侶」達は、観客一人ひとりに語りかける

かのように歌うのだ。

それは、観客自身がイシス神、オリシス神となる

だけではなく、パパゲーノとパパゲーナに続いて、

人を愛する、恋をすることを礼賛される者として

祝福されているかのようだ。

                                                その時。

衆生本来仏なり。

白隠禅師の坐禅和讃が同時に私の頭の中で鳴り

響き始めた。

ちょっと待ってよ。

モーツアルトは本来的にそういうことを言いたかった

のか。

仏教、とくに禅では、「見性(けんしょう)」、すなわち、

心眼を開いて自己の中に本来的にあった「仏性(ぶ

っしょう)」に気付くことが大事なことの一つである。

                                                 エマニュエルさんの演出か、佐渡さんの仕業

知らないが、今日のオペラの主人公はあなたたち

観客自身だったのだよと気付かされるのだ。

                                                  モーツアルトは、この『魔笛』完成の数週間後に

亡くなった。

最後に彼が気付いたことは、自分だけが神童

ではない、人間一人ひとりが素晴らしい。

一人ひとりの人間に神が宿るのだ。

もしかして、そういうことだったのか。

                                                いずれにせよ、スタンディングオベーション!

佐渡さんやエマニュエルさんはじめ、関係者の

皆さんに感謝するしかない。

Danke!

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コメント

こんにちは。
私も「魔笛」を見てきました。
(トラバさせていただきました)
あのフィナーレは、私も目頭が熱くなってきて
大感動でした。
素敵な舞台でしたね!

綾小路さま。コメントありがとうございます。
あの場にいらっしゃったのですね。
このご縁にも心から感謝したいと思います。

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